■コンピュータ前史

技術内容
紀元前3000 バビロニヤ(現イラク近辺)にて計算板「アバカス」(abacus)を発明。
紀元前1000 古代中国で「算木と算盤」によって計算されていた。
紀元前800 ギリシャ・アテネのサラミス島で発掘されたサラミスのそろばん。
大理石板上にギリシャ数字と平行線が彫られているもので、その線上に小石を置いて計算した。
紀元前300 中国では、紐の結び目によって数を記録していた。
1617 (英)ネピア(John Napier)、対数目盛等を記した骨子(計算尺の原型)を発明。
1622 (英)オートレッド(William Oughtred)、ネピアの対数骨子に基づく計算尺を発明。
1642 (仏)19歳のパスカル(B.Pascal)が歯車式加算機「パスカリーヌ」を発明。
1694 (独)ライプニッツ(Gottfried Wilhelm. Leibniz)歯車式四則計算機製作。
1820 (仏)トーマ・ド・コルマー(Charles Xavier Thomas de Colmar)、
ライブニッツの歯車式四則計算機「アリスモメーター」(Arithmometer)の商品化に初めて成功。
生産台数:1820-1865(45年間) で500台。
1822 (英)バベジ(Charles Babbage)現在のコンピュータと同じ構造である
記憶部、演算部、制御部を持った階差機関を製作開始。しかし完成せず。
1834 バベジ解析機関を試作開始。パンチカードを使用。
世界初のプログラマはエイダ(Augusta Ada Byron)という女性。
1889 (米)ホレリス(Herman Hollerith)、リレーを使用したパンチカード式統計機械を開発。
1896 ホレリス、現在のIBM社の前身である「Tabulating Machine社」を設立。
1903 矢頭良一(やずりょういち)、日本で初めて機械式卓上計算機を開発。
250円という高値で発売されにもかかわらず200数十台が販売された。
その利益を元に、アメリカのライト兄弟に先んじて飛行機の発明を志した。
1904 (英)フレミング(John Ambrose Fleming)、2極真空管を発明。
1906 (米)フォレスト(Lee de Forest)、3極真空管を発明。
1918 アイディアル計算機、マーチャント計算機のコピーとして日本事務機製造株式会社で作製され、翌年丸善で販売。
1923 大本寅治郎、タイガー計算器開発。普及型で 150円、最高級機で 545円。
当時500円で2階建ての家1軒。
1936 (独)コンラッド・ツーゼ(Konrad Zuse)「Z1」開発。
汎用リレー計算機。 浮動小数点、2進、プログラム制御、条件判定なし
記憶に約1800個、計算のために約6000個のリレーを使用。
1940 (米)ベル研究所のスタイビッツ(George R. Stibitz)、
複素数計算用リレー式計算機「Model I」を完成。

■コンピュータの誕生と発達

ハードウェア ソフトウェア
1942 (米)アイオワ州立大学準教授のアタナソフ(John V. Atanasoff)と、大学院生のベリー(Clifford E. Berry)アタナソフ・ベリー・コンピューター(ABCマシン)を製作。
「裁判で認められた」最初の電子計算機。連立一時方程式を解くためのもの。完成はせず。
1943 (米)モークリー(John William Mauchly)と大学院研究生のエッカート(John Presper Eckert)「エニアック」(ENIAC)陸軍弾道研究所で製作開始。
弾道計算用。真空管17,468本、1500個のリレー、17万の抵抗、1万のコンデンサ、6千のスイッチ、4千のネオン管、数百のダイヤル。
総重量は30トン、高さ2.5メートル、奥行き0.9メートル、幅24メートルで、消費電力は140Kw。
(英)アラン・チューリング(Alan Mathison Turing)、暗号解読用電子計算機「コロッサス」(COLOSSUS)を完成。
ドイツの暗号機械「エニグマ」(Enigma)のローレンツ暗号解読用。真空管2,500本。
1944 (米)ハーバード大学の教授エイケン(Haward H. Aiken)とIBM社、リレー式「Automutic Sequence-Controlled Calculator Mark I」(自動逐次制御計算機1号)完成。
幅60フィート、総重量5t。乗算は約6秒、除算は約12秒。
1946 (米)ペンシルバニア大学ムーア校で「エニアック」が一般に公開される。
コンピュータが広く知られるようになる。
1948 (米)ベル研究所のショックレー(shockley,William Braford)ら、点接触型トランジスタを発明。
1949 (英)ウィルクス(Maulice Wilkes)、初のノイマン型(プログラム内蔵型)真空管式コンピュータ「エドサック」(EDSAC)をケンブリッジ大学で完成。
32bit 512word のメモリと3000本の真空管が使用。
1950 (米)ユニバック社(現ユニシス社)、初の商用電子計算機「ユニバック1」(UNIVAC 1)を発売。
1954 富士通、リレー式計算機「FACOM100」を開発。リレー4,500個使用。除算0.5〜6.0秒。
1956 富士フイルム、日本初の真空管式電子計算機「FUJIC」を開発。真空管1700本使用。
クロック30KHz、加減算0.1ms、乗算1.6ms、除算2.1ms。
(米)IBM社、初の高級プログラミング言語「フォートラン」(Fortran)を開発。
1958 (米)IBM社、初のトランジスタ式電子計算機「IBM7070」を開発。加減算72μs、乗算924μs。
1959 日本電気、日本初のトランジスタ式電子計算機「NEAC-2203」を開発。
(米)TI社のキルビー(Jack Kilby)とフェアチャイルド社のノイス(Robert Noyce)、集積回路を発明。
1960 (米)DEC社が、CRTモニタとキーボード入力装置を備えた初の電子計算機「PDP-1」を発売。
12万ドル。トランジスタ式。
1961 (米)MIT(マサチューセッツ工科大学)のMAC(Multi Access Computer System)プロジェクト、CTSS(Compatible Time Sharing System)という画期的な「時分割処理システム」を開発。
改良型の「IBM 7094」で稼動。
1962 (米)MIT(マサチューセッツ工科大学)のラッセル(Steve Russell)、初のコンピュータビデオゲーム「スペース・ウォー!」(Space War!)を開発。DEC社のPDP-1で動作。
1964 シャープ、初のオールトランジスタ電子式卓上計算機「コンペットCS-10A」発売。53万円。25kg。
12桁計算0.15秒。
Multics、(米)MIT、ベル研究所、GE社の共同プロジェクトとして開始。CTSSの後継。言語はPL/I。
(米)IBM社、初のOS「OS/360」を搭載した「System360」開発。CPUにICを初使用。 (米)ダートマス(Dartmouth)大学の教授、ケメニー(John Kemeny)とカーツ(Thomas Kurtz)が、学生教育用に「BASIC」言語を開発。
1965 (米)DEC社、初の量産ミニコンピュータ「PDP-8」を発売。トランジスタ使用。12bit。1万ドル以下。 (米)IBM社、「PL/I」(ピーエルワン)言語完成。
1966 シャープ、初のIC電卓「コンペットCS-16A」発売。12万円。4kg。
1967 (米)IBM社、フロッピーディスクを発明。

■マイクロコンピュータの誕生とパソコンの発達

ハードウェア ソフトウェア
1969 ビジコンと(米)インテル社(Intel)、初のマイクロコンピュータ「MCS4」(4004)の開発開始。 (米)国防総省の高等研究計画局、後のインターネットに発展するコンピュータ・ネットワーク「アーパネット」(ARPANET)の運用を開始。
(米)サンダース・アソシエイツ社のベア(Ralph H.Baer)がビデオゲーム「ブラウン・ボックス」の試作を完成。
1970 (米)IBM社、8インチフロッピーディスクを開発。
1971 (米)インテル社が「4004」(4ビット)を発表。サンプル価格$100。 (米)ベル研究所のトンプソン(Kenneth Lane Thompson)とリッチ(Dennis M. Ritchie)、「PDP-11」用「UNIX」(First Edition)開発。アセンブラ。
ビジコン、初のマイクロコンピュータ使用電卓「ビジコン141-PF」発売。\159,800。
(米)ナッチング・アソシエイツ社のブッシュネル(Nolan Bushnell)、初の業務用ビデオゲーム「コンピュータースペース」を発売。
1972 (米)マグナボックス社、初の家庭用ビデオゲーム「オデッセイ」(ODYSSEY)発売。$100。 (米)キルダル(Gary Kildall)、4004用「PL/I」を開発。
(米)ブッシュネル(Nolan Bushnell)、アタリ社を創設しビデオゲーム「ポン」を開発。 (米)AT&T社ベル研究所のリッチ(Dennis M. Ritchie)とカーニハン(Brian W. Kernighan)、「C」言語開発。
(米)インテル社が「8008」(8ビット)を開発。
1973 東芝、日本初のマイクロプロセッサ「TLCS-12」(12ビット)発表。(米)フォード社のエンジン制御用。 (米)キルダル、「PL/I」風インテル社の「8080」用「PL/M」言語を開発。
また、それを基礎としたOS「CP/M」を開発。「8008」用に「CP/M」を移植。
(米)インテル社のコンサルタントも開始。
1974 (米)インテル社が「8080」(8ビット)を発売。2MHz。 (米)Microcomputer Applications Associates社のキルダルとトロド(John Torode)、「8080」用「CP/M」を発売開始。
(米)モトローラ社、「6800」(8ビット)を発売。
ソード、「8008」使用の「SMP-08」発表。「8080」使用の「SMP-80/20」を発売。
1975 (米)MITS社、初のパーソナル・コンピュータ「アルテア8800」(ALTAIR 8800)発売。
$375の組立キット。
(米)ゲイツ(William Henry Gates,III)とアレン(Paul G. Allen)がマイクロソフト社を設立。
「アルテア」用「BASIC」言語を開発。
(米)MOSテック社、「MC6502」を発表。25ドル。当時「8080」は$150。
東芝、マイコンキット「TLCS-12 EX-0」(12ビット)発表。
ソード、「8080」使用のマイコンキット「SMK-80」(8ビット)発表。
エポック社、日本初の家庭用ビデオゲーム「テレビテニス」発売。\19,500。
1976 (米)ザイログ社、「Z80」(8ビット)を発表。2.5MHz。
(米)ジョブズ(Steven Paul Jobs)とウォズニアック(Stephen Wozniak)「アップルI」(Apple I)を発売。$666.66。「6502」使用。
NECがマイコンキット「TK-80」発売。「8080」2MHz。¥88,500。RAM 512Byte、ROM 768Byte。
1977 (米)ジョブズとウォズニアック、アップル社を設立し「アップルII」を発売。
「6502」$1,298。RAM 16KB、画面は最大280x192ドット、4色カラ−。
精工舎、国産初のパソコン「SEIKO-5700」を発売。「フォートラン」言語を内蔵。
NEC、「TK-80」のオプションとして「TK-80/BS」発売。¥128,000。
(米)アタリ社、家庭用ビデオゲーム機「Video Computer System」発売。約$250。
1978 (米)インテル社が「8086」(16ビット)を発売。29,000トランジスタ、5MHz。
シャープ社が「MZ-80K」を発売。セミキット。Z80 (2MHz)ROM 4Kbyte、RAM 20Kbyte、10型白黒CRT 40字×25行。\198,000。
東芝、世界初の日本語ワードプロセッサー「トスワードJW-10」発売。
タイトー、業務用ビデオゲーム「スペースインベーダー」発売。
1979 NEC、「PC-8001」を発売。Z80(4MHz)、ROM24KB、RAM16KB。80文字×25行8色カラー表示。\168,000。
NEC、「COMPO BS/80」発売。¥238,000(COMPO BS/80-A)、RAM 7KB。白黒32文字x16行。
(米)モトローラ社が「MC68000」(16ビット)を発表。68,000トランジスタ、4MHz。
ナムコ、業務用ビデオゲーム「ギャラクシアン」発売。初の「スプライト」使用。
1980 (米)シアトル・コンピュータ・プロダクツ社のパターソン(Tim Paterson)、CP/Mを改良して「8086」で動作する「86-DOS」を開発。
1981 (米)IBM社がマイクロソフト社の「PC-DOS」(MS-DOS)を搭載したパソコン「IBM-PC 5150」を発売。
「8088」4.8MHz、RAM 16KB。$3285。5インチフロッピーディスクはオプション。
富士通、「FM-8」を発売。「6809」1.2MHz、RAM64KB。640x200、8色カラー表示。\218,000。
NEC、「PC-8801」を発売。Z80(4MHz)、RAM64KB。80文字×25行(640x200)8色カラー表示。\228,000。
1982 NEC、「PC-9801」を発売。\298,000。「8086」5MHz、RAM 128KB。640x400ドット8色カラー表示。
漢字ROM、フロッピーディスクはオプション。
(米)夏以降、1400万台普及しているアタリ社「VCS」のソフトが売れず、12月株が暴落。アタリショック。
1983 任天堂が「ファミリーコンピュータ」を発売。\14,800。「6502」カスタム使用。1.78MHz。
256x240。52色。
セガ、SC-3000発売。\29,800「Z80」3.6MHz。256x192ドット15色。
(米)アップル社が「リサ」(Lisa)を発売。「68000」5MHz。220万円。5インチFD。
マイクロソフトとアスキー、MSX規格発表。Z80(3.58MHz)、RAM 8KB、256x192、16色カラー表示。
1984 (米)アップル社が「マッキントッシュ」(Macintosh)を発売。「68000」8MHz、RAM 128KB。
\598,000。3.5インチ400KB FD。白黒512x342dot。
(米)IBM社、PC/AT発表。「80286」6MHz。5インチFD。
1985 NEC、「PC-9801VM2」を発売。\415,000。「V30」10MHz、RAM 384KB。640x400ドット8色カラー表示。 (米)マイクロソフト社が「Windows1.0」を発売。
1986 シャープ、「X68000」発表。「68000」10MHz。RAM 1MB。5インチFD。\179,800。 NEC、パソコン通信「PC-VAN」運用開始。
富士通と日商岩井、パソコン通信「エヌアイエフ」(ニフティ)運用開始。
1987 (米)アップル社、Macintosh II発売。「68020」16MHz。$3,900。 (米)アップル社、「HyperCard」発表。マルチメディア。
NECから「PCエンジン」発売。「6502」カスタム使用。7.16MHz。320x224。512色。
1988 セガ、「メガドライブ」発売。「68000」7.67MHz。320×224。512色。
NECからPCエンジン用CD-ROMドライブ発売。
1989 任天堂が「ゲームボーイ」を発売。「Z80」カスタム使用4.19MHz。
160x144ドット。モノクロ4階調。\12,800。
WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)が誕生。インターネットにおける情報閲覧システムの中心となる。
富士通、「FM-TOWNS」発表。「386DX」16MHz。RAM 1MB。3.5インチFD。CD-ROM。\338,000。
640x480、1677万色中256色。
(米)インテル社が「486DX」(32ビット)を発表。25MHz。
1990 任天堂が「スーパーファミコン」を発売。「65816」3.6MHz。256x240。\25,000。 日本IBM、DOS/V規格の「DOSJ4.0/V」発表。
(米)モトローラ社が「MC68040」(32ビット)を発表。25MHz。 (米)マイクロソフト社が「Windows3.0」を発売。
1991 (米)IBM社とモトローラ社、RISC MPU「PowerPC」発表。 (フィンランド)リーナス・トーバルズ(Linus B. Torvalds)、「Linux」無料公開。
セガ、MEGA-CD発売。\49,800。 (米)アップル社、動画ソフト「QuickTime」発表。
1992 (米)アップル社、「Macintosh Quadra950」発売。「68040」33MHz。
8MB/HD500/CD-ROM、\958,000。
(米)マイクロソフト社、「Windows3.1」を発売。
1993 (米)インテル社、「Pentium」(32ビット)発表。310万トランジスタ。66MHz。 (米)マイクロソフト社、「WindowsNT 3.1」発売。
(米)アップル社、「Power Macintosh 8100」発表。「PowerPC 601」80MHz。
1994 セガ、「サターン」発売。「SH-2」(32ビット)*2、28.7MHz。RAM 2MB。\44,800。
SCEが「プレイステーション」を発売。\39,800。「R3000」(32ビット)34MHz。RAM 2MB。
1995 (米)マイクロソフト社、「Windows95」を発売。
1996 任天堂、「ニンテンドウ64」発売。「MIPS R4000」(64ビット)カスタム93.75MHz。
RAM 4.5MB。ROMカセット。\25,000。
1998 (米)アップル社、「iMac」を発売。「PowerPC G3」233MHz。RAM 32MB、HD 4GB、24倍速CD-ROM。
15インチ1024x768dotフルカラー。実売\178,000。
セガ、「ドリームキャスト」発売。「SH4」(128ビット)200MHz。RAM 16MB。33.6Kbpsモデム。
GD-ROM。\29,800。
2000 SCEが「プレイステーション2」を発売。「Emotion Engine」(128ビット)300MHz。MIPSカスタム。
RAM 4MB。DVD-ROM。USB。\39,800。
(米)インテル社、「Pentium4」(32ビット)発表。5400万トランジスタ。1.5GHz。\90,210。
2001 任天堂、「ゲームキューブ」発売。「Power PC Gekko」485MHz。RAM 24MB。独自ディスク。\25,000。 (米)アップル社、「MacOS X」発売。
任天堂、「ゲームボーイアドバンス」発売。「ARM7」(32ビット)16.78MHz。RAM 288KB。\9,800。
240x160ドット2.9インチTFT32,768色カラー反射型液晶。
(米)マイクロソフト社、「Windows XP」を発売。
(06/01/29)
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