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東日本大震災および福島原発の事故により被災されたみなさまには、心よりお悔やみ申し上げます。
一日も早い復興を、本当にお祈り申し上げます。
デル株式会社 デル株式会社

 放射線は非常に危険性を持ったものでありながら、目に見えず、しかもその被害が数十年後に出る場合があります。放射線の専門家・研究者のあいだでも、どの程度の量で被害が出るかということについては分かれており、さらに私たち市民の不安を増加させます。
 ここでは、大学時代に物理学を多少勉強した者として、私なりに調べたことや意見を書いておきたいと思います。 (管理人)

■放射線とは
 X線、γ(ガンマ)線などの電磁波(光子)、およびα(アルファ)線、β(ベータ)線、中性子線等の粒子線の事です。
 一般的には、放射性物質(ウラン、プルトニウム等の放射線を出す物質)の原子核が分裂する際に出るものを意味します。

 ちなみに「放射能」とは、学術的な意味とは離れ、一般的には「放射性物質」のことを意味する事が多いようです。

●放射線 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A

■放射線の種類
 放射線には、主に以下のような種類があります。

粒子線
アルファ線(α線) 陽子2個と中性子2個のヘリウム原子核からなります。
透過力は小さく、紙1枚程度、空気数センチで止められます。
ベータ線(β線) 通常は、マイナスの電荷を持った電子からなるものです。
透過力はそれほど強くなく、数ミリのアルミニウム板で止められます。
中性子線 原子核の中性子からなります。
透過力は最も強く、止めるには水やコンクリート、鉛の厚い壁が必要です。

高エネルギーの電磁波(光子)
ガンマ線
(γ線)
波長が非常に短い電磁波。
透過力は強く、止めるには鉄やコンクリート、10cm位の鉛等の壁が必要です。
エックス線
(X線)
ガンマ線とほぼ同じものです。
発生が原子核からではなく、その周りの電子からのものです。
エックス線写真で使用され、私たちになじみのあるものです。

■放射線の単位
 テレビや新聞等で、よく放射線の単位が出てきますが、混乱しやすいのでまとめておきます。

ベクレル 放射性物質が1秒間に放射線を出す回数です。
グレイ(Gy) 吸収した放射線エネルギーの総量(吸収線量)を表す単位です。
シーベルト(Sv) 人の吸収線量に対する影響度の総量の単位です。
吸収線量(グレイ)に、放射線の種類ごとの係数をかけた等価線量と、
体の部分ごとの係数をかけた実効線量とがあります。
毎時シーベルト
(Sv/h)
人の吸収線量に対する影響度の、1時間あたりの強さの単位です。
1時間で1シ−ベルトの放射線を受ける強さは「1シーベルト毎時」です。
30分間で1シ−ベルトの放射線を受ける強さは「2シーベルト毎時」です。
「1シーベルト毎時」の放射線を30分間受けると総量は0.5シーベルトです。

※気をつけなければいけないのは、
シーベルト    : 量の単位
毎時シーベルト : 強さの単位
だということです。

つまり、年間20mSv(ミリシーベルト)受けるということは、放射線の強さは、
20mSv ÷ 365(日) ÷ 24(時間) = 0.002283mSv/h(ミリシーベルト毎時)
     = 2.283μSv/h(マイクロシーベルト毎時)
となります。

ちなみに、
1Sv = 1000mSv(ミリシーベルト)
1mSv = 1000μSv(マイクロシーベルト)
1μSv = 1000nSv(ナノシーベルト)
です。

■自然から受ける放射線(自然放射線)
 私たちは、普通に暮らしているだけでも、以下のような自然からさまざまな放射線を受けています。

宇宙から降り注いでいる放射線(宇宙線) (外部被曝)
大地の放射性物質から受ける放射線 (外部被曝)
大気中の放射性物質から受ける放射線 (外部被曝)
飲食物の放射性物質から受ける放射線 (内部被曝)

世界平均は、年間2.40ミリシーベルト、日本の平均は、年間1.50ミリシーベルトです。

ちなみに、
ブラジルのガラパリは、5.5ミリシーベルト、イランのラムサールは、10.2ミリシーベルトだそうです。

●環境放射線 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A2%83%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A
●世界の高自然放射線地域(公益財団法人体質研究会)
 http://www.taishitsu.or.jp/genshiryoku/gen-1/1-ko-shizen-2.html


■放射線障害の種類
 放射線による身体への障害は、以下のものがあります。

早発性放射線障害
(急性放射線障害)
放射線宿酔、急性骨髄症候群、消化管症候群、放射線神経障害、
放射線障害性心膜炎、放射線肺炎、皮膚障害など。
晩発性放射線障害
(低線量放射線障害)
放射線性白内障、胎児の先天性異常、加齢(老化)現象、
ガン、白血病、悪性リンパ腫。

※「遺伝的影響」については、日本の原爆被害者への疫学的調査においては、認められていない。

●放射線障害 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3

■受ける放射線量と障害
 受けた放射線(被爆)量と身体への影響は、以下のようです。

mSv(ミリシーベルト) 内容
7,000以上 99%の人が死亡。
3,000 - 5,000 50%の人が死亡。
2,000 出血、脱毛など。5%の人が死亡。
1,000 急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。
500 リンパ球の減少。
100 人間の健康に影響が出ると証明されている放射線量の最低値。
81 広島における爆心地から2km地点での被曝量。
7 - 20 X線CTによる撮像1回分の線量。
4 胃のX線撮影1回分の線量。
2.4 1年間に自然放射線源から人が受ける放射線の世界平均。
2 広島における爆心地から12km地点での被曝量。
1.5 1年間に自然環境から1人が受ける放射線の日本平均。
0.1 - 0.3 胸部X線撮影1回分の線量。
0.05 原子力発電所の事業所境界での1年間の線量。

ちなみに、
15μSv/hのラジウム温泉に、毎日1時間入ると、
15μSv/h × 365(日) = 5475μSv = 5.475mSv
となり、胃のX線撮影1回分程度の被爆量となります。

 ラドン温泉などの放射能泉の効能は、歴史もあり、公的にも認められているので、安心していいのではないでしょうか。
 ホルミシス効果による免疫細胞の活性化と温泉によるリラックス効果で、発ガンリスクも低くなると思われます。

 2009年のブラジル・ガラパリ(自然放射能量が年間5.5ミリシーベルト)で行われた住民調査では、末梢血リンパ球の染色体異常が他地域よりも0.3%程度高かったものの、産児の性比、先天性異常、流産、死産、乳児死亡、生殖能(受胎率、出産率)など違いは見られなかったそうです。

 放射線を甘く見ることは危険ですが、必要以上に、あるいは根拠なく、わずかな放射線でも危険であるかのように言うことは、まさしく風評被害(というよりデマ)で、被災者をさらに追い込むことになります。
 そのようなことは慎み、復興を応援していきましょう。

●被曝 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D
●ラジウム温泉 ラドン温泉の紹介 効能
 http://kadoyasan.com/radium-world.html
●ブラジルの高自然放射線地域における住民の健康調査 (09-02-07-03)(財団法人高度情報科学技術研究機構)
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-07-03
(2011/8/11)
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